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半5段中国語2

中国人観光客への「お食事接待」ノウハウ 意外なオススメ日本料理

皆様、中秋節お祝い申し上げます。では今日も元気に、「あなたの隣の中国人問題」を一緒に考えてまいりましょう。

中国から取引先が来日することになりました。前々から「日本に行ったら、おいしいもの食べに行きたい」と熱い期待がかかっていたのですが、中国の方にとって「おいしい日本の食べ物」または喜ばれるモノとはどんなものなのでしょう?

最近、中国でもめぼしい都市には「それらしい日本料理屋」もあったりするわけですが、ご当地にはそんなものは皆無。ちなみに来日する面々はほんとの田舎のオッサンです。(なやめる日本食オトコ 男性・会社員 45歳)

なるほど。

中国の取引先を接待されるんですね。食事さがしにプレッシャーを感じておられるご様子。ご苦労様です。さきにドラゴンならの経験から「メニュー別おすすめどころ」を提案しておきましょう。

中国人観光客にオススメの日本料理 ベスト3

 

第3位 オムライス

意外に思うかもしれませんね。カレーライスと並んでオムライスの評価はメチャ高です。

寧波の大学にて。オムライス作りにチャレンジした女子学生。

寧波の大学にて。オムライス作りにチャレンジした女子学生。

あのとろけるような卵の食感、そして見た目のまろやかさは中国人の心を包み込んで離しません。漢語ではオムライスのことを合抱蛋饭(札入れご飯)と訳されているようです。お財布みたいな印象なんでしょうか?

ちなみに類似メニューの印象で「洋風天津飯」とか言っても中国の友人たちには通じないのでご注意(当該料理は日創作メニュー)。

第2位 お好み焼き

自分の食べるものを「自分で作り上げる」という作業が中国の友人たちには「とっても新鮮」らしいのです。

アルミのお椀に入ったコナモンをコシャコシャとかき混ぜて目の前のアツアツ鉄板にジュジュジュッと落とし込む。すべての工程が食べる本人の目の前で、何のごまかしもなしに、一部の隙も見せずに淡々と組み立てられていく。フィニッシュに何か薄い木片にも糸クズのようにも見える調味料(カツオブシ)を振り掛けるや、まるで生き物のように踊りだす。

このファンタジックな光景に、たいていの中国の友人たちは食べるのも忘れて見とれてしまうようです。

帰国前に「最後に何が食べたい?」と中国人旅行者に聞くと間違いなく「お好み焼き」というリクエストが返ってくる文字通り「テッパンねた」ですのでぜひお試しあれ。

自分のために作る。だから、手抜きもごまかしも一切なし。お好み焼き

自分のために作る。だから、手抜きもごまかしも一切なし。お好み焼き

第1位 寿司

 

回転すし。中国の友人にはエキサイテイングな体験だそうである。

回転すし。中国の友人にはエキサイテイングな体験だそうである。

脱線:お寿司ってエロ食? 中国視察団の尋常ならぬ「ご執心の背景」

誤解なきよう先にお断りしておきますが以下のエピソードは03年当時の話題です。「昔はこんなこともあったのね」くらいのノリで読み流してください。

我輩が、合弁パートナーを接待したときの話である。ご一行は鎮長(村長)以下お役人随行企業家からなる「視察団」。すでに本来スケジュールの視察や会議は終わって、ちょっと息抜きしてこいや、という算段である。行き先は中国側のリクエストで京都に決まっていた。

我輩は朝からレンタカーを運転してホテルに到着、ご一行を乗り込ませる。ご一行さまも京都へ行く、すなわち観光という気配は分かったようだ。

しかも案内役が「漢語のわかるドラゴンなら」→あくまで中国語が話せる、という意味で「ハナシの分かる」という意味ではないのでご注意! ということもあって一行には朝から言葉にならぬテンションがみなぎっていた。

出発するなり中国側まとめ役のC局長が、小声で「オイ、シャージー(杀鸡,楢崎は中国人にはこう呼ばれている)。鎮長が寿司というものを食いたいって言ってるゾ」

我輩「ああ、そうですか。今日たべましょうか?」と答えるなりうしろからオオ! と声ならぬ声でどよめきが広がっていくのである。

やがて車は京都駅前に到着。ちょっと早めのランチという設定だ。京都駅で「それらしいすし屋」を探し当てた、と。

一行は?????

明らかに動揺とも期待はずれの苛立ちともとれる言葉にならぬ混乱に続き、なにやら内輪もめが始まってしまった。

「寿司って、これ?」
「ハナシが違うやろ!」
「でも、シャージーが寿司って言ってるし」
「看板にも寿司って書いてるから」
「あたりまえだろ! 昼間っから、そんなものあるわけないやろ」

鳩首会談は五分にも及んだろうか。一行やむなくとぼとぼお店に入って、案内された席について寿司定食を待つことになった。やがて出てきた寿司定食をみて、

「これは海老だ」
「これは、なまイカだ」
「これなんだ? タイ? なま? うえええっ!」

結局、ほとんど生サカナを食べられず、一行は、プイッと店を出てしまったのだった。次の目的地まで、車中のシラーっとした空気は、しばらく回復することはなかった。

後日談で分かったことだが、当時出始めた中国のインターネット情報の中に、「寿司→女体盛」という話が相当広範囲に出回っていて、中国の友人たちのあらぬ期待を煽っていたのであった。ご一行が寿司寿司とこだわったのは実はこんな伏線があったのだ(早く言ってよ!)。

当時の日本情報とはこんなものだったのだ。もう今となっては「昔の笑い話」である。ちなみに、いまでは刺身でも寿司でもユッケでも何でも食べられる中国なのだが、シャンハイ在住の日本人4人に1名は寄生虫飼い主との未確認情報もあるのでナマ食はくれぐれもご注意を!

本当に困るのは夕食後

おっと…我が国での「おもてなし」の話でしたね。

実は中国の友人たちを日本でおもてなしするとき、ホントに困るのは夕食後なのだ。中国ならば雑技団やマッサージパーラーなどアフタ-デイナーには苦労することもないけれど我が国の場合、現実的にはカラオケくらいしか対処の方法がないようだ。(最近は中国語レパートリーが充実した店もあるので事前調査しておけばいい。)

度胸の据わった同僚(ホンコン出身、女性マネジャー)は、別の機会に別の中国ビジネスマングループを、ストリップ小屋に案内したことがあったとか。(品行方正な我輩にはできない芸当である)

そのときのお客様方は、みな一様に、正視に堪えない様子で「顔に両手を押し当てて、指の間からしっかり観劇」していたそうである。でも、いまどきそんな小屋も、どこでもあるというものでもなさそうだ。

カラオケ接待の場合、我輩はなるべく知り合いの中国人留学生(できれば女子)に同席してもらうようにしている

ホステス代わりというわけではない。

中国人として日本の生活をどうしているのか? 住環境はどうか? などなど、みな日本の日常ネタには非常に関心が高い(中には自分の子供を留学させたいと考えているケースもある)ようだ。

いずれにしろ、お客様はせっかく遠くから日本まで来てくれたのだからホスト側はこんなところまで配慮して、接待を乗り切ってください。成功を祈っています。(執筆者:楢崎 宣夫)

PS 身近な中国観光客への素朴な疑問質問に答えます。お気軽に私の【寄稿者にメッセージを送る】欄に「問合せ」と明記の上お寄せくださいませ。お待ちしています。

 

なぜ中国人は炊飯器を買って帰るの? 中国人ライフスタイル(1)

中国人観光客が各地で急増したせいだろうか? 中国語講座「チンプンカンプン」にも最近、そんな中国人関連の問合せを多数いただくようになった。ついては「分かっているようで分かっていない中国人ライフスタイル」と題してシリーズで「よくある質問」を取り上げていきたい。中国人観光客の「取り扱い説明書」として活用していただければ幸甚である。

中国での炊飯器販売発売記者会見の様子

中国での炊飯器販売発売記者会見の様子

■質問1

最近大阪の町に中国人《と思われる》観光客がたくさんやってきています。日中関係改善の前触れにも見えてとても喜ばしいことと存じます。

ところで彼・彼女たちは皆、「判で押したように炊飯器や紙おむつ」を抱えていますね。紙おむつは、「子供に安全なものを与えたい、だから品質的に信頼できる日本製」という心理は理解もできるのですが、炊飯器は、ちょっと理解に苦しみます。このあたりの理由を教えてください。

そもそも中国人の主食とは何だろう? 改まって聞かれれば、日本人は当然自分の経験から「コメにきまってるやんか!」と答えがち。

我輩、山東省(地理上、黄河流域)の石島という漁師町で生活していたころ(2004年-6年)毎日ご飯を炊いてもらっていた。そんなある日料理人に「あんたね、コメばっかり食べてると免疫力さがって病気するよ」などと余計な忠告を再三いただいたものである。

ではそんな山東ローカル中国人が食べていたものは?

第1位 マントウ

第2位 麺

第3位 餃子(蒸し・ゆで)
→日本で言うギョーザは中国では锅贴(グオテイエ)といってギョーザと区別される。

山東名物?ビッグ馒头マントウ

山東名物?ビッグ馒头マントウ

中国でおコメを主食に食べるのは南方(長江以南)の地域。北方人(黄河流域以北)の主食は? そうコムギなのである。コメは主食に入らないのだ。

戦時中、「ゆけど進めど麦また麦の」と歌われた中国の麦畑

戦時中、「ゆけど進めど麦また麦の」と歌われた中国の麦畑

したがって、石島あたりの食堂で「ご飯ください」などと言おうものなら「今から炊くから半時間待ってね」と返事が返ってくる始末なのである(あくまで04年ごろのお話だが)。

ハナシは脱線気味だが、我輩ドラゴンならは、南方のおコメには正直あまりいい印象は少ない。これも、もう25年も前のことだが、福建省のアモイから研修生を5名招聘したことがある。

この若者たちを空港から大阪の会社の宿舎に連れて行って、大してうまくもない社員食堂で食事をさせたときのことである。茶碗のご飯を口に運んだ彼らの第一声が「うん。こんなうまいコメ初めてだ」であった。

当時も今もわが社(食品メーカー)の社員食堂でそんないいコメを使っていたとは、口が裂けても言えないのだが、中国と日本では、炊き方にもコメの性質(品質ではない)にも違いがあったのは事実である。

おっと。おコメと炊飯器の話でしたね。

この数年で中国国内のコメ(しかも日本式)の生産量が急速に拡大した事実がある。(東北エリア→賢明な読者諸氏はお気づきと思うけれどいわゆる旧「満州国」→日本人がコメを栽培していた) その結果、いままで小麦食だった北京や天津(当然南方の大都市も)といった人口密集都市に大量の日本式コメが提供されるようになったという次第。

そして日本式のコメをもっとおいしく食べるためにはヤッパ日本の炊飯器でしょ? というわけで、日本の炊飯器がバカ売れしている、という構図(これが本コラムの「結論」)である。

ちなみに最近は山東省でもコメの栽培が盛んになっているそうで、米食ブームはますます拡大していくことだろう。聞くところによれば、日本のみやげ物店では「わさび風味の茶漬けノリ」がよく売れ出した、とのこと。

このように、米飯とセットにできる食卓用品なども、工夫次第では中国人観光客に歓迎されるアイテムになっていくのは間違いない(キッパリ)。観光客を呼び込みたい皆さんはご研究ください。

カジノ実現に向けて 全人口の3%を中国語スピーカーにすれば観光客は急増する

副題:日経IRビジネスフォーラムOSAKAフォーラムに参加して

全国二千万中国ビジネスヘッドライン愛読者の皆様、中国語講座「チンプンカンプン」のドラゴンならちゃんこと楢崎です。今日も元気にコラムをお届けしてまいります。わが国の上半期の観光客(インバウンダー)は620万人を突破。14年度末には1500万突破とも推量されている。

あわせて表題のようなフォーラムが、日経BP主催で、この7月31日(木)大阪グランフロントセミナールームで開催された(参加1100名主催者発表)。

IRフォーラムに参集した1000名の熱気。

IRフォーラムに参集した1000名の熱気。

そもそもIRとは何か?

統合レジャー施設と訳され、下世話に言えば鉄火場(カジノ)とその付随設備(ホテル・レストランほか)を謂う。シンポジウム当日は、松井大阪府知事の挨拶にはじまり寺島実郎の基調講演さらにUSJ取締役のプレゼンテーションと実に多彩なシンポジウムであった。

中国人観光客4000万人のインパクト

就中(なかんずく)耳目を集めたものは、なんといっても中華権圏観光客の呼び込み策の「あの手この手」であろう。以下 は、当該シンポジウムでの発言要旨紹介である。

 

香港が97年に中国に返還された(決定した、そのとき)、世界中は香港経済圏が没落していくと考えた。香港市民も同様に考えた。(その結果キャセイ航空スタッグが大量にカンタスほか他国の航空会社に流出したことが話題になった。)しかし、2014年現在、香港は返還前にもまして、依然巨大な経済圏の中心である。その理由とは年間4千万にのぼる、中国人観光客の落とすパワーマネーである。

考えてみよ。わが国《人口1億)観光客はやっと1000万。しかるに香港(人口700万)に押し寄せる4000万の本土から観光客の影響力を。

我輩20年も香港に足を踏み入れていないが印象はあまり良いとはいえない。飛行場が島の端っこにあった当時の香港は高層ビルすれすれに飛行機が回り込むように離着陸する、なんとも危なげで怪しい土地柄であった。

一番印象が良くなかったのが広東語(または英語)しかしゃべろうとしない現地人のかたくなな態度であった。北京語をあやつる大陸出身者を見下げるような視線は、異邦人ながらマンダリン(北京官話)スピーカーの我輩にも向けられて非常に「ムナクソ」悪い思いをしたものだ。

それがどうした。最近、大阪にやってくる香港ピープルは我輩がマンダリン(譜通話・北京官話)で話しかけてもにこやかに話にのってくるではないか! まったく「ゼニの力」(経済力)を思い知らされるばかりである。

誤解のないように釈明しておく。このコラムの趣旨は香港人の「変節」の非難ではない。コトバが通じないことには商売なんてありえない、という話である。

外国人観光客受け入れ後進国の日本はどうすればよいか?

わが国のインバウンダーは、「まだまだ」改善の余地だらけ??

わが国のインバウンダーは、「まだまだ」改善の余地だらけ??

現状わが国のインバウンド受け入れ状況は図の通りである(33位)。仮に、東京五輪までに2000万達成したとしてもタイランドにも及ばない。改めて香港の中国本土4000万の「すごさ」が実感してただけるかと思う。ではこれから日本は、きたるべきインバウンド時代にむけて、どうすればいいのか?

実は話はカンタン。語学対応の充実である。大阪の人口3%が中国語スピーカーになる、こんな政策を大阪府・市が打ち出せばいいのだ。

「ええ?そんなのムリッショ!」と思ったあなた。もしかして、あなたは中国語ギョーカイ関係者ではありませんか? 実は中国語関係者ほど、「自分の努力を棚にあげて」最初から「できない光線」を浴びせかけてくるのである。

すこし冷静に考えてみよう。わが国には、共通センター試験という制度がある。毎年20万もの学生が受験している。さてこのセンター試験、語学は五科目から「選択」って知ってました? つまり、英語は必須科目ではないのだ。ここで英語でなく、中国語受験者を5万人まで増やせばいいのだ。

では現状中国語の受験者は?ちょっと想像してみてください。

1万人? 五千人?

なんと毎年300-500人。繰り返していうけれど。方や、英語は毎年20万。つまり500人のために、毎年中国語学会は、中国語試験を用意しているのである。これって「税金無駄使い」と非難されても文句は言えまい。「次の試験から中国語なんてやめろ」と声が出ないのが不思議なくらいである。

中国語受験者が少ない理由は中国語業界の努力不足にあり

では、なぜ中国語受験者はこんなに少ないのか?

はっきり言おう!

中国語ギョーカイの努力不足以外のなにものでもない。中国語学会の大御所たちが「中国語を受験したら英語の半分の努力で倍の点数取れます」こんなキャンペーンをして中国語人口の拡大を目指さないのだろう? (もちろん、「英語に比べてとってもカンタン!」な試験内容を公開模試で周知徹底していかねばならない)

仮にこんなキャンペーンが成功すれば中国語人口などものの10年で3%はおろか10%でも拡大できるのに。中国語は、語法も用法も「インデアンウソツカナイ。」程度のもので、英語やましてや日本語学習者からすれば「への河童」ではないか!!

中国語ギョーカイは「顔を洗って」一から出直してください!!!!(執筆者:楢崎 宣夫)

真夏の怪談「京都の中国人」を斬る!

中国ビジネスヘッドライン二千万読者の皆様暑中お見舞い申し上げます。うだるような暑さの中 事務局から下記の内容のメールを受け取った。曰く、とある愛読者から「京都の出来事」が寄せられた、とのこと。その趣旨は以下のものである。
先日所用で京都に行ったときのこと、乗るタクシー乗るタクシー全てで「中国人観光客批判」が展開されていました。「試食の商品を食べ尽くす」、「舞妓さんを取り囲んで狼藉をする(なかには簪を盗むような不逞の輩も居るとか)」こう言ったことを25年前の日本人団体観光客が行っていたとは到底思えません。自分の友人の中国人は、そういう意味ではまともな人しかいませんが、前記のような中国人が多いのも事実です。

こういうことに対してどのように考え、また接点のある人はどのように対応すれば良いのでしょうか?中国ビジネスの専門家の方々に助言いただきたくお願い申し上げます。
 結論から申し上げて我輩ドラゴンならはこのメールを新手の「都市伝説」または怪談ハナシと断定するものである。そして、単なる断罪でなく、このようなストーリーの発生する素地に対して語学屋として忸怩たる思いであることも後半で吐露させていただくことにして本論を展開していくことにしよう。

祇園祭り
祇園祭り

 まず、事実関係を整理してみよう。

ハナシの出所

 「とある読者」が京都で「タクシーのうんちゃん」から聞いた。恐縮ながら我輩ドラゴンならは、タクのうんちゃんとホステスの噂話にはあまり信憑性を置かない主義である。いったい誰が、どこで中国人の落花狼藉を目撃したのだろう? すくなくともこの話題を投げかけてきた愛読者氏に伺ってみたいものだ。

試食を食べつくす

 とはいっても、「ありうる」ハナシは、この「試食のたべつくし」であろう。ドラゴンならは、食品メーカーの出身で、本人も日本や中国で試食コーナーで実演販売の経験がある。そこで東京築地で、今でも食品の仕事をする仲間に中国人のビヘイビアについて聞いてみた。
「そうねえ、二ヶ月ほど前あるデパートの催事会場で食材展示会があったときだけど、中国人の一団があがってきちゃって。あの人たち、会場に用意した休憩所に陣取って「場所取り」してほかの人たち座らせないの。試食も用意してたんだけどなんだかパクパク食べて。」

 このようにケチョンケチョンなのだが彼女続けて、
「でもね、ツアーなんだから誰かツアコンいるのがフツーでしょ? これがいないのが問題よね。試食は食べてもらってナンボのものなんだから。勝負はそのあとよね。買ってもらえるようこちらの働きかけも、今思えば(セールスのプロとして)こちらの対応も情けなかったなあ。」

 証言は以上である。

 状況を補足説明してみよう。食品メーカーの立場で言えば試食を「召し上がっていただくこと」は「歓迎すべき」ことであり食べたお客様である中国人観光客が非難を受ける筋合いではないのである。

 試食を用意した側が試食をさせて商品を売るのが仕事である以上、「食い逃げされた」という事態は営業マンの未熟さを露呈していることにほかならぬ。たしかに中国人は日本人と異なるライフスタイルを持っておることは事実として受け止めよう。

 そのうえで「郷に入らば郷に従う」さらに試食するならば買い物もしなさいね(事実上海でも、北京でも試食するのは買うのが前提という常識は深く認知されていた)ちなみに中国のショッピングモールでドラゴンならが試食に入ったときは確実に完売モードであった。

 その理由はカンタン。語学ができるからであった。中国人には中国語。日本人には日本語、韓国人にはハングルと対応を変えていけば相手もヒトの子。「じゃ、一個買ってやるか」となるものなのだ。

 すでに来日観光客が今年上半期で629万を突破したとのこと。2020年には確実に2000万を突破するだろう。しかるにわが国の外国語対応《中でも中国語)の実態は?

「はい、お客様。おそれいりますがこのスペースは共用となっております。お荷物はお方付けのほどを」

「お客様、試食のお味はいかがですか?ぜひお買い求めいただいてご家族にも召し上がってください」

 こんな要領で「攻めていく」語学対応が、日本に求められているのではないだろうか? 自分の言葉を話す人に親近感を抱く(心を通わせる)のは万国共通の心理である。もし日本の人口の3%が中国語が話せれば???

「おい、みんな聞いたか?迷惑だってよ。協力しやろうぜ。」

 間違いなくこんな展開になったはずなのだ。そんな意味で語学屋として「まだまだ努力が足りない」ことに深い自責を感じるドラゴンならである。

中国人観光客を「迎え撃って」売上三割アップをめざそう!
中国人観光客を「迎え撃って」売上三割アップをめざそう!

舞子が囲まれて狼藉を受けた

 むかし中国で「反日デモ」華やかなころ中国のネット上で「日本車に乗ったカップルが襲われて車は焼かれて男は半死半生、女は強姦されて犯人は杳として霧のかなたに」こんな書き込みがあふれていたものだ。

 もちろん「実態は不明」。どこでいつ発生したのか?加害者はおろか被害者も特定できないのである。願わくは観光先進都市京都市民各位がかような幽霊話に惑わされず、しっかり中国観光客を「迎え撃って」売上三割アップを実現していただきたいものである。(執筆者:楢崎 宣夫1DSC_0006編集用

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