爆笑!漢語遊撃隊 大阪心斎橋を征く!春節商戦最前線レポート
春節(旧正月今年は1月23日が「元旦」)商戦も無事終了したようです。皆様のお店の「戦績」いかがでしたでしょうか?
統計によれば1月2月の訪日観光客は各々70万人とのこと。(昨年資料)そしてこの1月に中国人観光客が世界中で買い物した総額は5480億円!。2月の暇な時期にこの売上はどれだけ不景気大阪を潤したことでしょう。
話は少しタイムスリップして今年の鏡開きの頃。いつもの「中国ビジネス」懇話会のメンバーが大阪市内某所に集まりました。
「ねえねえ。今年の春節早い(例年2月)けど、なにかイベントやらないの?」
「今頃何できる?」
こんな「投げやり」なブレストの結果「心斎橋で無料観光案内所」の開設がきまったのだった。
「じゃ、テント貼ってお茶沸かして。」
「市内名所のパンフって手に入るの?」
ところが心斎橋ってところは無許可イベント「集中取締で有名な場所」ことが判明。
「テント村なんてとてもとても、」
「パンフって場所とるし重いでえ」
最初の構想はどんどんシャイブアップされていって実現したのが、この画像風景。
中国語講座の合間を縫って心斎橋をウロウロ、それこそゲリラのごとく中国人観光客を求めてさまよって集めた大阪の街の様子を点描してみたいと思う。
大丸百貨店まえ ピンクのパンダがお客を呼び込む。
バスの集合地点 観光バスが続々と。
アーケードの飾り付けも春節ムード 各商店にはこんな「指差しマップ」が配布されている(大阪商工会議所)。
なかには自前で中国人店員を採用したお店も。
一方、中国人の側では「事前の情報(中国語のHPなど)が見れなかったのでぶっつけ本番の買い物になった」 「中国語対応が十分じゃない」などとの意見が聞こえたものの、それなりに日本をエンジョイできた様子が垣間見えた。商店街マップも完備されていた。ただしその場に到着してから「はい、心斎橋案内になります」と渡されても記念品代わりにはなっても買い物に貢献はできないだろう。
中国側のアテンド体制であるが現地からツアコンが同行しているのは確認できた。(日本語全然できず)「右手に見えますのは」というバスガイドっていうものはどうなっているんだろう?
以上は昼間の光景である。大阪ではナイトツアーなんてどんなものが提供されているのだろう?まさか御堂筋のライトアップを見物して終わりなんてことはないんだろうけれどこの点は「未解明」分野になっている。
いずれにしろ、ようやく緒についた観光ニッポン。まだまだ工夫の余地は大いにありそうだ。
以上
ビールは温めの勘がいい?中国のギョーテンビール温度設定
副題:あなたの隣にやってきた中国人観光客の「おもてなし」方 飲み物編
全国二千万中国ビジネスヘッドライン愛読者の皆様、中国語講座「チンプンカンプン」のドラゴンならこと楢崎です。さあ、今日も元気にあかるく「となりにやってきた中国人観光客問題」のお悩みを紐解いていきましょう。
なぜ中国では”生ぬるいビール”が出てくるの?
業務出張で中国《山東省内陸部》に赴きました。PM2.5とか反日とか、覚悟の出発でしたが着任してみれば空は青いし、食べ物おいしい。中国側の仕事は協力的で要領いい。美女もたくさんサービスしてくれたし文句なしでした。ただ一点。ビールが生ぬるい!
中国側のみなさんは当たり前のような顔しておいしそうに飲んでいたけれど、当方、冷えたビールの気持ちよさが楽しみで仕事してきたみたいなオトコですので、これだけはなんか納得いきませんでした。
いったいどういうわけなんでしょう?
(それでもアイラブちんたおビール男 42歳。会社員)
まずはご出張お疲れ様でした。そうでしたか。中国のビールはアルコール濃度低め(3%台)ですけれどケッコ旨い、という方は多いですよ。
それで、本件については我輩も多数経験があります。お店に行ってビールを頼む。すると、外国人と見て取ったのか従業員は「常温ですか? 冷えたものですか?」と聞いてくれます。
そこですかさず「冷えタン→大阪弁ですけど。漢語ではびんだ→冰的」と答えると冷たいものが出てきます。つまりビールについては二種類のチョイスがある、ということです。
このコラムでは問題を「なぜ、中国の友人は(日本人、おそらく世界中の常識)冷たいビールを飲まないの?」に絞って考えていきましょう。この問題に関する「中国の友人たち」の答えは極めてシンプル。
「そんなの飲んだ日にゃ、ハラが冷えるやろ!」なのです。
すなわち中国人の健康観が根底に横たわっていた、という次第。もちろんいまどきの中国、どこに行っても冷蔵庫もあるしアイスクリームだって年中売ってます。しかし「体を冷やさない」ため「冷たいモノは避ける」という姿勢にはまだまだ妥協が見出せません。
冬場はどうするの?
あくまでビールの話でいけば「いったい冬場はどうすんの?」という話題に行き着くことになります。「冬場はビール飲まないの?」
いいえ。聞くところによれば酷寒零下のハルビンでは冬場のビール消費量ってハンパじゃない、とのこと。山東省あたりでも日本の緯度で言えば宮城あたりに相当するため冬は結構寒さが堪えます。
ドラゴンならもチンタオのコンドミニアムで冬を越した経験がありますけど、通風孔閉め忘れて外泊した翌日。なんとゴキブ○が大量に凍死して? いたこともありました。
そんな冬場に「常温ビール」って、どうよ?
答えは画像。ビールのお燗でした。
中国の食材は危ないとか毎日みたいに聞かされている日本人ですけれど中国の友人たちの健康意識は「意外に高く」て驚きです。
いわく、毎日ナマコを一匹づつ食べるんだ、とか。人間ドッグに半年一回行っている(しかもシンガポールまで)なんてまったくフツーなのです。話をきけば驚くことになります。「ぬるいビール」には「激辛あひるのアタマ」がよく似合う!
夏でもアツアツのお湯を出すのが最高のおもてなし
さて話題をわが国にひきもどそう。こんな中国の友人たちは、けして「おひや」とよばれるわが国レストランのサービスを喜ばない。
あなたがラーメン店とか牛丼屋で中国の観光客と思しき人たちを見かけたとしよう。店側では当たり前のように彼らの前に「おひや」をおくだろう。しかし中国人観光客は、きっと「ええ! 困ったなあ」と思っているはずだ。
さて、あなたはどうする?
「店員さん、この水、熱いお茶に替えたって!」と一声かけて御覧なさい。中国人観光客たちはあなたを「日本人て、なんて気の利く人たちなんだろう!」と尊敬と感謝の目であなたを見ること間違いなし。これこそ究極の「おもてなし」なのだ。(執筆者:楢崎 宣夫)
Eコマース戦線異変あり?花王の天猫出店の狙い
全国二千万中国ビジネスヘッドライン愛読者の皆様
春節快楽! 中国語講座チンプンカンプンのドラゴンならちゃんです。
今回はいささか専門外の経済分野のコラムです。
花王が天猫モールに出店。中国国内の消費者に、直接自社製品の越境電子取引をスタートした。(2015年11月に運用開始。)
吾輩が中国に行くたびに毎回山のように粉ミルクや紙おむつを持ち込む様子をSNSにさんざっぱら報告してきたのでご記憶の方も多いだろう。花王をはじめ日本製の中国でのベビー・マタニテイグッズは注目の的である。しかも、花王でも明治でも、日本製でなければ評価されないことは、今更いうまでもない。
花王が天猫市場に仮想空間店舗を構えて、中国の一般ユーザーに対して直接日本製品(具体的には紙おむつ)の直販を開始(16年1月確認)。しかもこの価格がほとんど日本の店頭価格並みという「異常さ」。
なんといっても国際貨物なんだから輸送費や通関経費なんかも掛かるだろうに。このあたりのコストはどう織り込んだんだろうか? 人様のショーバイなのに余計な心配までしてしまうドラゴンナラちゃんなのでした。
なによりも、赤字覚悟で? 国際電子取引を始める花王の胸三寸は?
結論から先に言っておこう。
花王の狙いは日本と中国にはびこる「花王の意思に沿わない」流通業者の根絶やしなのだ。
日本で巷間中国人によるおむつの買い占め(玄人筋では「せどり」と呼ぶ)が話題になった。この結果国内では花王のおむつ(特にテープ止めの大きいサイズ)はほとんど欠品状態で流通していない状態である。
この問題の背景には日本国内ではびこるおむつ買取業者の存在がある。
メーカーである花王は日本のほかに中国にも工場があって、中国国内の需要はこの中国工場で対応したいところである。にもかかわらず日本製品に需要が集中している現実は
(2) 日本国内のユーザーに適宜商品が届けられないのは『暖簾』に傷がつきかねない(もうついてしまっている?)
早いハナシが違法な流通業者が悪いのだ。こいつらを根絶やしにすればすべて解決ではないか!
本件事情が複雑でシロウトである吾輩にもなかなか呑み込めないのだが「くろうと筋」の説明を何回も聞きなおした結果、こんなストーリーが見えてきた次第である。
つまり花王の直販開始とは違法(てか、花王の意向を尊重しない)流通業者を「低価格販売」で兵糧攻めにして全滅させる作戦がスタートした、ということなのだ。
三か月でも半年後でも流通業者が価格競争に耐えかねて全部撤退した後で、リストアップできた中国国内のユーザーに、中国工場の製品を引き渡していけば輸送費や通関経費は不要になるので本来の利益が確保できる。日本国内のユーザーにも、特定商材だけ不足するということなくお好きな商品を選んでもらえる。
こんな「平和な世界が」ふたたびやってくるということなのだ。大企業おそるべし!(執筆者:楢崎 宣夫)
ともに語ろう!2016年春節初夢
http://www.chinabusiness-headline.com/2016/02/45445/
共に語ろう! 2016年春節、インバウンドビジネスの初夢
副題:日本側が主導権を確保するインバウンドビジネスを構築せよ。関西インバンドサービス協議会の主張

2015年、我が国のインバウンド受け入れ人口はほぼ2000万人を達成、政府は16年のインバウンド目標を3000万人と公表したことは記憶に新しい。
では、3000万人観光客はどんな形でどんな人がやってくるのか?
去年15年の「二匹目のどじょう」が今年も待っているのだろうか?
以下は関西インバンドサービス協議会(通称KISS。設立 楢崎宣夫会長代行)の春節「初夢」である。
1) 観光客のカタチ「イナゴ型」から「伝書バト型」へ
爆買いが流行語大賞にも選ばれた2015年のインバウンドとは「イナゴの襲来」であった。
観光客がどこからか大群でやってきて買いつくして食べつくしてどこかへ飛んで行った。
ざっくり表現すればこんなイメージだろうか。
観光客の名前も属性も関係ない、ただただ「たくさん来たな」これだけのハナシである。
すなわち、日本側の仕掛けも計画も主体性も存在しなかった、というのが現実である。
翻って2016年。KISSがイメージするのは伝書バトである。
すなわち、日本側の意図するピンポイントに確実にやってきて帰っていく。次回再びやってくる時には家族仲間を引き連れている。
2) 現地での日本情報の発信
2015年、各地で観光客を自分の指定するポイント(商品または観光地)へ誘導するため英語や中国語のガイドブックや印刷物が大量に用意され、町のあちこちに置かれているのを散見された方も多いだろう。
しかるに、その成果とはどうだったのか?
KISSが実際にそれらのガイドブックや印刷物の配布をモニタリングを兼ねてお手伝いしてみたところ、「へえ、こんなところがあったのか? 行きたいけど俺たち明日帰国するんだなあ」という回答ばかりであった。
結論から言えばガイドブックや印刷物の現地配布は「観光客の呼び込みにほとんど寄与しなかった」ということである。
では、どの段階で情報の発信と受信がなされるべきだったのか?
ズバリ、日本旅行の計画時点で観光客(予備軍)のもとに届いていなければならない、ということである。
もっと言えば「この情報があったから日本に行くことを決意した」と言わせなければならないということである。
3) インターネット情報の限界を大胆予測
KISSでは、2015年末の段階でインターネットによる観る情報発信について「限界が見えた」と認識している。
考えていただきたい。
あなたがレストランの経営者だったとしよう。そして、外国人のお客を呼び込みたいと考えて外国語のHPを立ち上げた。その結果、毎日300名の見込み客から問い合わせが来るようになった。インターネットの世界では「成果報告としてこんな成功事例が」列挙されていたりする。
しかし考えてみよう。さて、これがお店の経営者の望んだ事態だろうか?
なぜからオーナーは、日々三割増の利益が確保したかっただけであって多数の問合せに返信して時間を浪費することは何も意味がない。オーナーが望む事態とは20名程度の新規顧客が店にきてくれて売上三割アップということにほかならぬからだ。
100名に情報発信、その結果50名が反応して20名が来日した時に来てくれる、こんなシステムの構築をめざしていく。
4) 現地説明会とセットの情報発信サイト
今回チンタオで、現地旅行会社との接触に成功。当地での説明会開催について協力を要請したところ、「やっと日本側からこんな話が来た」という返事であった。
タイやマレーシアからは何年も前から現地説明団がきていた。日本だけ、沈黙したままだった」との話し。いったい日本の旅行社は何をやっていたのだろう?
KISSでは、会員企業に自分の店やサービスの特徴を自ら説明する機会をチンタオで確保する計画である。
なんでチンタオなの?
日本人は中国といえば北京とか上海のイメージだろう。だが、こんな大都会で情報発信していくにはどれだけ経費が掛かるのか? とても中小企業でできる仕事ではない。
一方チンタオ市は人口800万程度。ちょうど大阪市と同じくらいの規模で関西人には取り組みやすい相手だと考えている。
2016年には地下鉄も開通する予定でもある。KISSではこんなチンタオに支部をこの1月に開設、日中の新たな架け橋としていく決意である。